ご自身やご家族が刑事事件の被疑者・被告人となってしまった場合には、弁護人を付けることができます。
勾留(※注1)されている被疑者(平成30年6月1日から全事件が対象となりました。)、または、必要的弁護事件(※注2)以外の事件の被告人の資力(流動資産)が50万円未満であれば、被疑者・被告人は、裁判官に対し、国選弁護人の選任を求めることができます(刑事訴訟法第36条,第37条の2)。ただし、国選弁護人は国が弁護士を選任して付けるものですので、基本的には被疑者・被告人が自分で弁護人を選ぶことはできません。
これに対し、勾留されている被疑者、及び、必要的弁護事件でない事件の被告人の資力が50万円を超える場合には、原則として国選弁護人を付けることができないため、被疑者またはご家族にて弁護士を探し、任意の弁護士に弁護を依頼することになります。これを私選弁護人といいます。
ただし、資力が50万円を超える場合であっても、弁護士会に対して私選弁護人の選任の申し出をしたにもかかわらず、弁護士会から紹介を受けた弁護士が受任を断った場合には、国選弁護人を付けることができます。
なお、国選弁護人と私選弁護人の権限・活動範囲には全く違いはありません。
また、勾留されていない被疑者には資力の有無にかかわらず国選弁護人を付けることができませんので、弁護人を必要とする場合には私選弁護人を付ける必要があります。
※注1)勾留とは、逮捕後72時間以降も被疑者の身柄を拘束しながら捜査をする必要がある場合に、検察官の請求により裁判官が決定するもので、原則10日間、最長で20日間、拘置所または警察署内の留置所に身柄を拘束されることを指します。
※注2)必要的弁護事件とは、裁判の対象となっている罪の法定刑が「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮にあたる事件」を指します。